次の名は「シーエンジェル1号」新天地はエーゲ海に例えられる穏やかな海

KAZUⅠの次の活躍の場、岡山・備前市

 次の「KAZU Ⅰ」の活躍の場は、隣の岡山県の備前市。購入したのは、地元の建設関係の会社でした。
 当時の名前は「シーエンジェル1号」。
 備前市の日生(ひなせ)町と、日本のエーゲ海とも例えられる瀬戸内市牛窓(うしまど)町を結ぶ観光船でした。

日生地区海運組合 久本久治 理事長
「フェリーがここにおりますから、こっちに桟橋があるでしょ。ここにちっこい桟橋がその横につけてたんだよね、このあたり」

「シーエンジェル1号」として活躍していた時代のKAZUⅠ

 当時の「KAZU Ⅰ」を知る、日生地区海運組合の理事長です。

日生地区海運組合 久本久治 理事長
「日生から牛窓に寄って岡山に行くような便を考えていたんでしょうね。何人か集まって共同で出資していたんです」

 「KAZU Ⅰ」は当時、日生と牛窓を1日3往復する観光船でした。
 しかし、車で30分ほどで行くことができる牛窓まで、観光船を利用する人は、あまりいなかったのです。

日生地区海運組合 久本久治 理事長
「はやらなかったですね。船ってなんぼスピード出してもせいぜい時速30キロくらい。車は60キロですから、まあ、かないません」

 岡山での時代は、わずか2、3年で終わりました。
 穏やか海を高速で走るためにつくられた船は、なぜ、波浪注意報が出ることも多い、北の海にやって来ることになったのか?