――重い罪に変更されて裁判が始まるが、改めて相手についてどう感じている?

小柳さんの姉:
「相手の男に会ったこともなく、何をしているかもわからない。この悪質な事故がどのように裁かれていくのかを私たちが見ていくだけなので、今はあまり相手の事は考えていない状況です」

「スタートラインに立つまでの時間が長かったが、まだこれから先も長くなると思います。事故のこと、裁判を最後まで見届けてほしい。スピードを出してもいいという快楽に似た気持ちで運転することは非常に危険であるということが、今後の事故の抑止力になってほしいし、無念であろう弟の気持ちをもって訴えられることは訴え続け、結果に結びつけたい」

2年前のこの時間からどん底に…

現場に花を絶やさず手向けてきた遺族。事故があったことを風化させないよう今後も取り組みを続けていくという。

小柳さんの姉:
「現場は昼の時間に見ると、見通しの良い直線道路という印象があるけれど、夜はとても暗いんです。周辺に住宅も少なく交通量も減り、飛ばしやすい状況だったもしれませんが、その一瞬の考えで人が一人なくなるという事故になり、その被害者が私たちの家族だった」

「運が悪かっただけでは片づけられない…。そんなスピードを出さなければ誰も亡くなることはなかった。無念の気持ちしかない。2年前のこの時間からどん底にもっていかれて、気持ちがあがることなく過ぎている。晴れた気分になることはないし、私の気持ちと一緒で弟も泣いていると思う」と姉は声を震わせた。

水しぶきをあげながら通り過ぎてゆく車の音。雨の中、現場で祈りを捧げた遺族は、今後開かれる裁判員裁判に向けて決意を新たにした。