2021年2月9日午後11時。大分市の県道で車同士が衝突した事故により、当時50歳だった小柳憲さんが帰らぬ人となった。あれから2年。仏壇の前で手を合わせる小柳さんの母は「一日見守ってねと毎日供養しています。あの日のことはいまだ忘れられません」と目に涙を浮かべながら語った。
体にぬくもりが残っていたが…
地元では通称「40メーター道路」と呼ばれる片側3車線の県道で起きた事故。夜も更け交通量も少なくなる2年前の午後11時前、小柳さんは車に乗って帰宅しようと交差点を右折しようとした際、対向車線を直進してきた車と衝突した。


双方の車は大破。小柳さんは衝撃でシートベルトをちぎられ、車外に投げ出されて死亡。その後、当時19歳の男が運転していた車のスピードが「時速194キロ」と判明した。捜査関係者によると、男は「何キロまで出るか試したかった」と供述しているという。
当時のことについて小柳さんの姉がこう振り返った。「現場から弟が運ばれた病院まで距離があるので、苦しい時間が長かったと思う。母が最初に病院に駆けつけた時、弟の体にぬくもりが残っていたがすでに亡くなっていた。最後は言葉をかけておくってあげたかったが、寂しい亡くなり方になってしまった」