ドラァグクイーンのステージが、心を動かした

感情を動かすとはどういうことか。満島さんが語ったエピソードが、その答えのひとつを示してくれています。

参議院選挙の直前、LGBTQについて否定的な発言が相次いでいた時期のことです。北海道の地方のお祭りで、満島さんはドラァグクイーンとして30分のステージに立ちました。

ステージを降りたあと、観客のひとりがこう言ってきたといいます。

「最近までいろんな政治に関する動画が流れてきて、LGBTQについて権利を声高に主張する人がいて問題なんだと言ってる人がいたけど、そうじゃなくって当たり前に隣にいる人なんだなって気づきました」

議論や討論ではなく、パフォーマンスという形が届いた瞬間でした。

「討論や議論という場面だけじゃなくて、芸術だったりパフォーマンスだったり、感情に寄り添う訴えかけも必要なんだなと思いました」

満島さんの声には、静かな確信がありました。