「結婚の自由をすべての人に」――6件の裁判が問いかけるもの

番組では、現在進行中の裁判の概要が紹介されました。

日本地図に、5つの都市が青い点で浮かび上がります。札幌、東京、名古屋、大阪、福岡。2019年にこれら5つの地で裁判が始まり、2021年に東京での二次提訴があったことで、全国6件となりました。

この裁判の正式な呼び方として番組が使ったのは「同性婚訴訟」ではなく、「結婚の自由をすべての人に」です。

同性婚という「特別な制度」を新たに作ろうという話ではなく、今ある結婚制度を誰もが使えるようにしようという訴えだからです。また、自分たちのことを同性だと思っていないカップルでも、法律上の性別が同じであれば結婚できない実態があるからです。

「結婚をすべての人に」ではなく「結婚の自由をすべての人に」としているのにも理由があります。結婚するかしないか、その選択肢を誰もが等しく持てるべきだという考えが込められているからです。

裁判で争われているのは、「法律上の性別が同じ人どうしが結婚できないことが憲法違反にあたるかどうか」です。争点となる条文は3つあります。

憲法13条(個人の尊重・幸福追求権)、14条1項(法の下の平等)、そして24条1項・2項(婚姻の自由と個人の尊厳)です。

原告側は、誰と結婚するかという人生の大きな選択を自由にできないのは「個人として尊重されていない」と主張しています。性的指向に基づいて扱いが異なるのは「法の下の平等」に反するとも訴えています。

一方、国側の主張は「同性婚を排除している」のではなく「想定していない」というものです。憲法24条1項の「両性」という文言が男女を指すという立場に立っているのです。裁判では、この両性の解釈が、今まさに問われています。