「私たちが生き証人」見過ごされてきた兵士の心の傷
国は戦争が終わっても、兵士たちの精神疾患は大多数が先天性で個人の素質によるものだとして、その存在を認めてこなかった。
だが2023年、家族会の強い要請などにより、戦争トラウマ兵士の問題が国会で取り上げられた。
戦争トラウマ2世の藤岡美千代さん(67)は2025年2月、家族会の仲間たちとともに、戦争で心を壊した兵士たちの実態調査を求めるため、国の担当者と面談した。

藤岡美千代さん(67)
「私たちが生き証人なんです。本気で父がどんな生き様をしてきたか、あなた方にきちんと分かってほしい」
国はようやく調査を始め2025年7月、国立の戦傷病者史料館「しょうけい館」で初めて概要を公開した。

大戦末期の4年間、戦病者785万人のうち、約8%にあたる67万人が「精神病・その他の神経症」と推計。
だが、この数字は病院などで治療を受けた兵士に限ったもので、一部にすぎない。専門家は…
上智大学 中村江里准教授
「日中戦争から対米戦までの時期を含めたら、もっと増える可能性がある。戦争末期になってくると軍隊自体が崩壊していくので、実態調査というには違うかな」
長年、無かったことにされてきた兵士たちの心の傷。
その解明を望む一方で、父親から受けた暴力は今も許さないと藤岡さんは話す。

藤岡美千代さん(67)
「父がそうならざるを得なかったというきっかけとして戦争はあったけど、だからといって父の暴力は絶対許しちゃいけない。私はそれを許さないと言い切るのはあの戦争も許さないってこと」

















