「戦争は駄目」106歳の戦争経験者を苛む記憶

先の大戦で悪名高い「インパール作戦」を戦った佐藤哲雄さん(106)。9月には107歳の誕生日を迎えます。

インタビューは3時間近くに及びました。佐藤さんが戦争体験を語り出したのは、実は最近のことです。

――戦争から帰ってきて戦争の話をしなかったのはなぜ?

佐藤哲雄さん(106)
「言ったって無駄だから言わねえ。わからない。言って聞かせても。自分たち苦労してないからわからない」

何度も死線を彷徨った佐藤さん。ただ、そのつらさを口にすることはありませんでした。

心に秘められた過酷な体験。同居する家族はこう話します。

哲雄さんの義娘 佐藤くに子さん
「取材受けたあとに、亡くなった人が夢の中に出てきたりとか。うなされる時もやっぱりあった。声だして『助けてくれ』と言う声も聞いたことあります。本人は生きてきたことがね、自分の弱みを見せないと言うかね」

多くの犠牲者を出し、生き残った者や後世にも深い心の傷を残した先の大戦。

佐藤さんは、こう繰り返した「駄目だ。戦争は駄目だ」と。