今年1月の「消費税減税ショック」から始まった水面下のやりとり

ベッセント財務長官が検討を始めたのは今年1月、ちょうど高市総理が解散総選挙に打って出たタイミングと重なる。高市総理が公約に掲げた食料品の消費税減税をめぐり、市場では「代替財源なき財政悪化」に動揺が生じた。財政悪化懸念から日本で長期金利が上昇、それがアメリカにも波及し、長期金利が急上昇した。

この時、ベッセント財務長官は片山さつき財務大臣に強い懸念を伝達し、対応を求めたと政府関係者は明かす。

その後、本格的に日米協調介入に向けて両国政府が検討を始めたのは、5月中旬にベッセント財務長官が来日したタイミングだ。

政府・日銀は4月30日から5月6日にかけて、単独で断続的な円買いドル売りの為替介入を行ったが、その効果は長続きしなかった。単独介入の限界を認識した日米両政府は、足並みをそろえた協調介入に向けて、具体的な手順などの協議を本格化させていった。

7月末の介入のタイミングについては、2年前の事例が参考になった。

2024年7月も投機筋の円安圧力が強まったが、為替介入やその後の日銀の利上げなどで急速に円高にトレンドが変わった。

8月は欧米の投機筋が夏季休暇に入るため、7月末は投機筋が手仕舞いするタイミングだと政府関係者は見ていた。

さらに、7月の最終週は日米の中央銀行がともに当面の金融政策を決める会合を開くタイミングでもあった。

政府関係者は「円安から円高にトレンドが変わるタイミングで追い打ちをかけるような為替介入が一番効果がある」と話していて、7月末に照準を合わせたとみられる。