協調介入の効果残るも、最大の焦点は秋の日銀の利上げ

28年ぶりの電撃的な協調介入は、投機筋による一方的な円売りポジションの積み増しを抑制し、市場に強い警戒感を植え付けることには成功した。

しかし、大手証券会社のストラテジストは「時間稼ぎであることは否定できない」と言い切り、協調介入でも根本的な円安を止めることは難しいと指摘する。

為替相場の根底には、依然として大幅な日米金利差が存在するからだ。

日銀が明確な追加利上げ路線を示さない限り、金利差に着目した構造的な「円売り・ドル買い」圧力を完全に消し去ることは難しい。

ベッセント財務長官は「為替介入によって市場にシグナルを送ることはできるが、結局、相場の決め手となるのは政策とファンダメンタルズだ」とした上で「過度な円安を是正するための日本の金融面での措置を強く支持する」と、日銀の利上げに期待感を示した。

早くも市場では、秋の日銀利上げが急速に織り込まれつつある。

「アメリカにもマーケットにも外堀を埋められれば、高市総理も日銀の利上げに反対はできないだろう」財務省幹部はこう分析する。
高市総理が日銀の利上げに反対すれば、円安が加速するどころか、協調介入に踏みきったアメリカ側に泥を塗ることになりかねないからだ。

食料品の消費税減税の実施や成長投資、防衛費増額など財政悪化の要因が山積していて、円安・金利上昇圧力は今後もくすぶり続ける。

1998年の協調介入時も、一時は急激な円高に振れたものの、その後は再び円安に押し戻された歴史がある。

最後の切り札である「協調介入」の効果が続くうちに、日本は財政政策や金融政策を柔軟に変更し、相場の潮目を変えられるのか。

9月の日銀の金融政策決定会合で、植田総裁がどのような判断を下すのかが当面の焦点だ。

TBS報道局経済部 蓮井啓介