学校側が詳細に聞き取りを行った『調査記録』を独自入手

今回、取材班が入手したのは、いじめ発覚直後から約2か月にわたって学校側が調査した34ページの記録だ。

【2006年2月4日の記録(学校側が作成)】
「担任教諭が被害児童の家へ、電話で内容を確認する。家の金を合計で10万円以上持ち出し、友だちに渡している」

【2006年2月5日の記録(学校側が作成)】
「父親がコレクションしていた旧札15万円分くらいを少しずつ袋より抜き取る。加害児童らにせがまれて、繰り返しその袋よりお金を抜き取り与える」
教頭や担任らが連日のようにAさんの自宅を訪れ、加害児童に金を渡していたことを把握している。

【2006年3月14日の記録(学校側が作成)】
「被害児童が養護教諭に話かける。ぼくは恐喝されたり、いじめられたりしている。主な加害者はクラスに11人と隣のクラスに1人いる。担任はいじめを見過ごした。クラスに信頼できる心を許せる人間は誰もいない。自殺しようまで思った」
学校側はAさんから“いじめの内容”や“心情”まで聞き取っている。校長・教頭・担任などは少なくとも8回、Aさんから直接話を聞いているが、市教委はなぜ『聞き取りができなかった』と主張しているのか。