この事件はJNNの全国ネットのニュースで報じられて以降、SNSではファンによる落胆のコメントが多数寄せられた。かくいう私も落胆した1人で、今から10年以上前の高校生時代、関西弁で繰り広げられるパワフルな歌声と聞き心地のいいラップに魅了された。初めてミュージシャンのライブに行ったのもET-KING、当時の携帯電話の着信音はヒット曲『愛しい人へ』だった。
ET-KINGは社会貢献活動にも精力的で、3年後に控えた大阪・関西万博の応援ソングを制作するプロジェクトにも参加していた。書類送検を受けて、大阪府の吉村洋文知事は「プロジェクトから抜けてもらわざるを得ない」とした。グループは活動休止を発表。その後グループの活動は再開したものの、当該メンバーは活動を自粛している。
大麻事犯の検挙者数が『過去最多』約7割が20代以下

大麻の蔓延が止まらない。警察庁の統計によると、2021年に全国で摘発された大麻事犯の検挙者数は、過去最多の5482人だった。大麻は「ゲートウェイドラッグ」とも呼ばれ、SNSで安易に手に入れることができ、覚醒剤など違法薬物に依存していく入り口(ゲートウェイ)と位置づけられている。
注目されるのはその低年齢化だ。全国で摘発された大麻事犯のうち約7割が20代以下の若者である。去年9月には、大阪府内の少年グループが大麻を密売していたとして摘発される事件があった。1人の少年宅を拠点に、グループで大麻草を加工しSNSで集客した相手に密売していたのだ。捜査関係者によると、この部屋は「大麻部屋」と呼ばれ、当時13歳の中学生を含む17歳までの少年少女約20人が出入りし、取引現場の見張りを手伝わせるなど密売に加担させる代わりに、無料で大麻を吸わせていた。「あそこに行けば大麻を吸える」と地元少年らの間で知られていたという。
(大麻部屋に出入りしていた少年)
「大麻を売ったお金でまた大麻が買える」
「100回以上は吸った」
大麻は他の薬物と違って依存性はないという誤った言説が根強く残るが、15、16歳で違法薬物の密売に手を染めた少年らの供述を聞けばどうしてもそうとは思えない。