「時すでにおスシ⁉」で50歳が主役をつとめる意味
倉田 「時すでにおスシ⁉」(TBS)も最後まで楽しく見られた作品でした。 主人公は永作博美さん。夫とは死別し、ひとり息子が就職で家を出、50代になって1人だけの第2の人生が始まります。松山ケンイチさん演じる元寿司職人は、寿司職人を育成する鮨アカデミーの講師で、彼のもとで寿司職人になるべく、いろいろ学んでいく話です。
まず、この2人の関係性ですね。講師と生徒で、年上の女性と年下の男性。露骨な恋愛シーンはないですが、微妙な距離感を保ちつつ、大人のちょっといい関係を描いている。
鮨アカデミーに通う永作さんの同級生も多種多様です。実際、今、寿司職人の学校には外国の方も勉強に来ているそうです。また、お寿司に関する知識もふえていくところも面白かったです。
サラリーマンの退職とか、子供の独立とか生活が変わるタイミングで、これからどう生きようかと考える。何か新しいことに挑戦する、何か刺激が欲しいときに、新しい世界に飛び込んでいける勇気を持つのも大事なことだと教えてくれた気がします。
影山 永作さんが50歳の役柄です。TBS火曜22時枠は、女性の生き方を問う形で人気な枠ですが、かつて「監獄のお姫さま」(TBS・2017)という作品がありました。クドカンの脚本で、小泉今日子さんが主演。この時のキョンキョンが50歳なんです。50歳をヒロインにした作品はこれ以来、2作目のはずです。
NHKの放送文化研究所は若者のテレビ離れみたいなことを言っている。テレビ各局もしょうがなく、中高年層にシフトチェンジというのかな。50歳をヒロインにすえて、テレビ離れの人にも見てほしいけれども、テレビをしっかり見ている中高年層の女性の方々に見てくださいということだと思います。
でも、話はそこで終わらず、実は私の教えている大学のゼミ生、学生たちの間で一番人気があったのはこの作品なんです。
田幸 そうなんですか。
影山 おもしろい現象ですよね。子育てが終わってしまって、生きる力がちょっとなくなってしまう。そういう50歳の女性の生き方、自分の生きがいを見つけようという姿に、女子大生たちは決して自分とは無縁のものではないと捉えているんだと思います。
つまり、若い人に見てほしいから若者向けとか恋愛ドラマとかではないんです。今は恋愛ドラマが当たらなくなっていると言われています。だから、どこに鉱脈があるのかわからないぞという好例、一例だという気がしました。
永作さんと松山さんのラブストーリーにしなかったのがよかったという評価があります。そういうところも若い人たちが共感しているように思います。そんなになんでも恋愛に結びつけるなよということですね。














