<カルト宗教2世>と<思春期の鬱屈>
田幸 テレ東の木曜深夜の2本が面白かったです。「るなしい」と「惡の華」です。
「るなしい」は、パッと見はカルト宗教を描く作品ですが、見ていくと、自己啓発の言葉やSNSなどと地続きになっている。宗教2世、カルトの問題だけでなく、なぜ人はそういう言葉にはまっていくのか。その人が幸せならいいのではないかとうっかり思ってしまいそうなぐらい、のめり込んでいく人の心情が生々しく描かれている。
宗教ビジネスとカルト、自己啓発、SNSなど、遠い世界の話に思えて、実は自分の身の周りにゴロゴロ転がっている。私たちの生活とも地続きだなと思わせる非常に上手なつくりでした。
主人公を演じる原菜乃華さんは「あんぱん」(NHK・2025)で、無邪気で天真爛漫な三女を演じたばかりで、その印象が強かったのですが、いきなり宗教2世の神の子をうまく演じていて、ちょっと天才なのかもと思いました。
影山 そうですか。そこまで。
田幸 すごいです。説得力がすごくて、原菜乃華さん扮するるなの言葉を聞いているうちに私も「ああ、それでいいかも」と思ってしまうぐらいです。あどけなさも素朴さもある可愛い雰囲気ながら、妙な説得力と貫禄を持つ。まだまだ引き出しを持っていると思わせて今後が楽しみです。
倉田 主人公の家が、火神様という火の神様を祀っていて、彼女は神の子として育てられている。だから、浮世離れしていて学校でいじめられる。そこを窪塚愛流さん演じるクラスメイトが助けてくれて、彼に対して恋心を抱くけれども、うまくいかない。そこで一転して、彼をカルトにはめて破滅させようという流れになっていく。
その手法ですが、お金がほしくてビジネスを成功させたい彼に対して。うまくその気にさせて乗せていく。あっ、やっぱりある種の宗教は怖いという部分ですが、現実の社会でも、その人が言ってほしい言葉を言うことで、その人をコントロールしていく手法はあるのだろうと思いました。
人間は弱い部分があるので、悩んでいたり迷っているときは、欲しい言葉を言ってくれる人を信頼しがちです。でもそこで自分で考える力を奪われていくのはすごく危ない。人のことを信じ過ぎるのはよくないとつよく伝わってきました。
田幸 もう1本の「惡の華」は、映画版がよかったのですが、同じスタッフで作ったこのドラマも非常によくできていました。あのさんがメディアで絶賛されていましたが、鈴木福君がすばらしかったです。こんなにナチュラルな芝居ができるとは正直思っていませんでしたね。思春期の鬱屈した感じや自意識が生々しくて、はまり役でした。














