「ここで研究を続ける意味は全くない」――それでも島原に居続ける理由

松島さんの研究拠点は普賢岳のふもとにある「九州大学大学院 理学研究院附属 地震火山観測研究センター」です。

松島特任教授:
「いろんなタイプの地震計・重力計など、我々が使っているような観測装置をここに置いてあって。地震が発生したらパタパタパタと揺れるんでね。それを記録して、震源決定とかしている状況ですね」

久富「島原の地で研究を続ける意味は?」

松島特任教授:
「研究を続けるということでは(ここにいる意味は)全くないです。はい。もうこれ、どこでもできるんで。
昔は島原に行ってこのデータを見なければならなかったですけど、今は全部インターネットでデータをやり取りしている。今も、例えば(画面の)表示を変えれば、北海道の地震計のデータなども全部見られる」

地元の人たちにとって欠かせない山のホームドクター

この日、島原市内にある雲仙岳災害記念館で、年に一度の「島原地域防災連絡会議」が開かれました。島原市の職員をはじめ防災関係機関が集まりました。

松島さんが、今の普賢岳の状況を報告し「危機意識」を共有します。

松島特任教授(発表):
「今のところ特段の変化はなく、静穏に経過しており、噴火の兆候はないということです」

火山活動は落ち着いているものの、平成新山の山頂付近では、溶岩ドームの一部が崩落するなど不安定な状態で堆積しています。

「山」を、長年見守り続ける専門家のアドバイスは、地元の人たちにとって欠かせないものとなっています。

松島特任教授(発表):
「溶岩の崩落は前触れもなく発生します。噴火警戒レベルで我々はレベル1と言ってるわけですから、それとドーム崩壊というのはリンクしない。あくまでも噴火警戒レベルはマグマ活動によるレベル。風化によって岩石が崩落するということは、噴火警戒レベルとは関係ない」

太田和博 係長(島原市 市民安全課):
「何かあったときはすぐ相談できる存在がいるので大変有難い」

吉田稔 局長(県島原振興局):
「火山活動に対しての研究をしっかり情報として伝えていただく。それによって正しく火山活動を理解し、正しく恐れながら共生していくところで、(松島特任教授には)非常に大きな役割を果たしていただいている」