”はどめ規定”で性教育が進まない日本

国連のユネスコ=教育科学文化機関は、科学的根拠に基づいて包括的な性教育を進めるようガイダンスを作っています。

2025年9月、東京駅に近い街頭で行われた集会。公益財団法人ジョイセフが主催した「SRHR for ALL!スタンディングアクション」です。「性と生殖に関する健康と権利」を尊重することを訴えて100人以上が集まりました。

NPO法人 ピルコン 染矢明日香さん
「忘れてはならないのが性教育です。性暴力や思いがけない妊娠の根本的な対策には包括的性教育の導入が不可欠です。にもかかわらず日本では長年、はどめ規定という壁によってこどもたちに必要な性の学びが制限されています」

はどめ規定とは、現在の学習指導要領では、「妊娠の経過を取り扱わない」と規定していて、「性交を教えない」限定的な内容になっています。国連女性差別撤廃委員会は2024年、日本政府に対し包括的性教育の実施を勧告しています。
包括的性教育とは、思春期前に生理や精通など身体の変化や妊娠の経過を教えるだけでなく、幼いころから他人に安易に触らせてはいけないプライベートゾーンを教えるなど、成長に合わせて段階的、実践的に進めるほか、性的同意をとることや、性にかかわらず平等な取り扱いをすることなど人権教育も含めて、広い範囲で性について学ぶものです。
集会では、10年に一度の学習指導要領の改訂が2027年に予定されており、いま子供の権利を守る性教育の実施を国に訴えるチャンスだとしました。
産婦人科医が進める包括的性教育

福岡県でも包括的性教育の実施を進める活動をしている人がいます。公立八女総合病院で産科部長を務める宮川三代子さん(51)です。医師として思春期のこどもたちと触れ合う中で、正しい性の知識が必要だと感じてきました。
大牟田市で2026年3月、医療関係者やこどもたちの相談員を対象にした性教育セミナーがひらかれ、宮川さんが講師を務めました。

産婦人科医 宮川三代子さん(51)
「SNS上で情報収集するから、どんどん妄想は妄想で広がり、本当の正しい情報じゃないところが入ってしまう」
性に関する情報があふれているいま、10代で性加害者として検挙される例も増えています。
宮川さんは、「10代のための『性と加害』を学ぶ本」(時事通信社)から、検挙された10代への聞き取り調査の結果を紹介しました。
産婦人科医 宮川三代子さん
「性加害者が最初にふれた性的な情報は6.5歳。アダルト動画とか、SNSでちょっとエッチな広告とかでてきますよね。フィルタリングをしたり色々対策をするけど、やっぱり目にしてしまうんですよね。見つけた時には、どうしてダメなのかを教えてあげる。本当のことじゃないことが書いてある、つくりものなんだよとか、ですね」
宮川さんは早い段階から年齢に応じた性教育が必要だと話します。その基本は、人権教育、その人らしさを尊重して大切にすることです。

グルーブワークでは、性別によって個人の可能性が制限されている現状を認識しました。
参加者「女のくせにってよくいわれません?男の子がおとなしいと男のくせにって」
参加者「家の中のことは女の子だけど、外のことは男性。九州に限られるかもしませんけど、男性が上座で、女性が下座というのは、ずっとあるなって話をしました」
宮川さんは、「現状を知らないと、その中にどっぷりはまっているとわからないですね。だからこうやって、こういうのもあるねって、ここ変えていきたいよねって思うのが大事かなと思っています」と話しました。参加した32歳の助産師は、3人の子供がいます。セミナーの感想です。

参加した助産師(32)
「性教育のスタートが日本は遅いんだろうなというのがあって、言うことが恥ずかしい、教えることも恥ずかしい、口に出してはいけないという暗黙の了解みたいなのがありますが、実際こどもたちから質問を受けたときには、必ず答えるようにしています。自分の身体は、自分で大事にしないといけないっていうことをを伝えるようにしています」














