村上選手って「22歳とは思えない」

森保監督:
この間、ちょっと仕事でご一緒させてもらった村上さん。若いんですけど、めちゃくちゃ落ち着いてますね。

栗山監督:
落ち着いてましたか、やっぱり。僕も11月初めて一緒にベンチに入って、ちょっと22歳とは思えなかったですね。例えば、相手のピッチャーがオーストラリアのピッチャーで急に出てきて、こういう特徴がありますってところの狙い球の絞り方とか、捨てる球とか、要するに考え方もそこへの向かい方も物凄く理にかなっているというか。何でこの年でできるんだろうという。

森保監督:
22歳ですか?その若さでこの落ち着きはなかなか醸し出せないなっていう感覚は受けました、話していても。あとこう、なんですかね、自分を律することができて、普段何をやってるかっていうのは勿論わからないんですけど、その短時間での会話の中で、野球をする自分のパフォーマンスを発揮する為に、凄く理にかなった、論理的に積み上げていける準備はできる選手なんだなっていうことはすごく感じましたね。

森保監督

栗山監督:
あまりにもやっぱり能力が高いんで、あれだけホームラン打って打率も残るという。ボールが凄く動きだしたんで、長距離と打率っていうのがなかなか一緒にならない選手が多くなってきたんですけど、本当に併用していく。近藤(健介)という選手が今回選ばれて、ソフトバンクホークスにFAでいくんです。近藤なんか、僕は一緒にずっとやってきて、もう本当にそういう分析から技術からもう最高に考えられる選手で。後ろでずっと村上選手と話してるんですよ、試合中に。「あのピッチャーだったらこうだよね」とか言って。後ろにいって試しているんですよ。そういう会話が近ちゃん(近藤)としているんだ。近ちゃんと話せるんだぐらいの。もう僕の中でナンバーワンだったので。そんなレベルだったですね。

「スポーツってそういうものなんだ」

栗山監督:
本当に僕らも、監督含めて代表の試合を見させてもらって、サッカーのレベルはもちろん世界に近づいていったっていう。もちろんそのことは素人的にも理解はできる、それ以上に日本人として、人としてどうあるべきかみたいな。例えば次の世代だったり、周りの人たちに対してとか、何かそういう思いみたいなのをみんなが感じて、こんなに一生懸命生きなきゃいけないんだっていう、なんかすごく大きなメッセージだった。
我々に一番必要な、日本の国の一番必要なものを見せてもらったっていうか。スポーツってそういうものなんだなというふうに僕なんかは捉えたので、監督が作ってくれた流れを生かさせてもらって、このまま3月、それを持ち込んで、何とかそれを引き継いでいけるように。ですからもうサッカーとか野球とかそういうことではないのかな。そんなことをすごく教わったなっていう感じ。

森保監督:
いや、教わったなということはないと思いますけど、選手たちが頑張ってくれたんで。でも本当に私自身もそう思ってます。私はサッカーに携わる者として、サッカーですけど。でもスポーツ全般として、スポーツでなくても、日本の社会に貢献できるものが全てだと思ってますし、スポーツがどれだけ社会に貢献できるのかっていうことをサッカーからいろんな方に感じていただいて、お伝えできればなと思っているので。去年のカタールのワールドカップの時にいろんな方にこう喜んでいただけて、そして日本が一つの話題で一体感が持てる、一丸になれるっていうところを、この2023年のWBCであったり、他のスポーツの世界大会で日本代表を応援しようということにつながれば一番嬉しいなと思ってます。

栗山監督(左)と森保監督(右)