任期満了で野球日本代表監督を退任した栗山英樹氏(62)が2日、都内で監督退任会見に出席。指揮した約1年半を振り返り「思いっきりやることができた」「あれだけ充実した時間はない」と侍ジャパンへの思いを明かした。
3月の第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では、大谷翔平(28)、ダルビッシュ有(36)に加え、吉田正尚(29)、ラーズ・ヌートバー(25)らメジャーリーガーを侍ジャパンに招集。目標に掲げていた3大会ぶりの世界一奪還を成し遂げた。
「結果的に勝ち切ることができて、先輩方が作ってくださった日本野球の素晴らしさを少しだけ伝えられたとかな」とWBCを振り返り、印象に残っている試合については「僕にとってはWBCの7試合全てですね」と応えた。
「最初の試合もすごく大事な試合でしたし、例えば中国戦でも、チェコ戦でも相手の選手も一生懸命でしたし、こっちも気付くことがありました。1試合1試合本当に意味があったので、勝ち切った(優勝した)ことも大きいのかもしれないですが、1試合1試合が生涯忘れられない試合かなと思います」と語った。
決勝後のシャンパンファイトでは「最後のユニホームだと思っている」と勇退の意向を明かし、任期満了を迎え5月31日にNPBエンタープライズが退任を発表した。
次回のWBCは3年後の26年に開催予定。後任監督は現時点で未定だが、次の監督に望むことを聞かれると「それは僕が言うようなことではなく。こうあって欲しいというのは特にない。ただ一つ思っているのは、選手たちは全てのリスクを背負いながら日本野球のために集まってくれている。これからも必ず素晴らしいチームになるので、そこだけは信じています」と力強く語り、今後の侍ジャパンに向け熱いエールを送った。