「カケザン」によって新たなサービスや製品を生む
ウーブン・シティのあらゆるものがつながるインフラを活用して、トヨタグループ以外の企業も実証実験を行っている。実証実験を通してプロダクトやサービスの開発を行う発明家の人たちはインベンターズと呼ばれ、現在20者がインベンターとして参加を決めた。
このうち、日本最大級のコーヒー専業企業のUCCグループは、ウーブン・シティ内に上島珈琲店を出店して、9月から実証実験を始めた。
一部の席にカメラを設置して、店に滞在している客がコーヒーを飲んだりパソコンで仕事をしたりする行動を記録し、その画像をAIで解析。コーヒーの香りと味わいや店舗の環境が、人の集中力や作業パフォーマンスにどのような影響を与えるのかを研究している。コーヒーが持つ力を最大限に引き出すための飲み方や環境づくりを考案して、未来のカフェ空間を想像するのが目的だ。
ダイドードリンコは、これまでの常識を覆す自動販売機を設置している。「HAKU」と呼ばれるこの自動販売機は真っ白で、商品のサンプルやボタン、コインの投入口がない。あるのは商品の取り出し口だけだ。商品はQRコードを通じて購入し、キャッシュレスで決済する。
この自動販売機の前面はディスプレイになっていて、画像や映像を投影することでその場の雰囲気に合わせてカスタマイズできる。
この他にも、ダイキン工業が室内に花粉が侵入するのを防ぐ「花粉レス空間」や、気流のコントロールなどによってリラックスできる空間を実現する「パーソナライズされた機能的空間」を実現する新技術を導入。教育事業を展開する増進会ホールディングスは、すでに保育園を開設したほか、2026年度以降は学童保育も開校する予定だ。子どもの自立心や自律心などを育むモンテッソーリ教育をベースに、子どもたちの活動を記録し、解析することで適切な援助をしていくという。
インベンターが提供するサービスや製品を実際に試し、フィードバックするのがウィーバーと呼ばれる住民や街の訪問者。インベンターとウィーバーによる「カケザン」によって改良を重ねることで、新たなサービスや製品を生み出していくことが、ウーブン・シティが目指す未来だ。














