静岡県裾野市に誕生したトヨタのウーブン・シティ。第1期では300人、将来的には2000人が暮らす街では、いったい何が行われるのか。街の中に入ってみた。「シリーズSDGsの実践者たち」の第51回。

自動運転に対応できるEVや開発中の乗り物が走る

静岡県裾野市で、2025年9月から実証が始まり、人が住み始めた「Toyota Woven City(以下、ウーブン・シティ)」。東海道新幹線が停車するJR三島駅から車で約30分、JR御殿場線の岩波駅から徒歩10数分のところに広がる、できたばかりの街だ。

2枚ともYouTube「Woven City」THE MAKING OF WOVEN CITY Feb.23,2021〜Sep.より

街の中に入ると、5階建くらいまでの中低層の住宅が並ぶ。道路にはトヨタのバッテリーEVで自動運転システムにも対応できる「e-Palette」が走るほか、まだ発売されていない3輪の電動キックボード「Swake」に乗っている人も見かける。

街の中を走る「e-Palette」
3輪の電動キックボード「Swake」

ただ、訪れた2025年12月の時点では、入居しているのはまだ数世帯だけだった。本格的に入居が始まるのは2026年以降の予定だ。広報を担当する比留間陽介さんは、ウーブン・シティを「実証実験の街」と表現する。

「未来都市、次世代都市、スマートシティと言われる場合がありますが、いずれもそうではありません。ウーブン・シティはモビリティのテストコース、あるいは実証実験の街と我々は呼んでおります。モビリティは人の心を動かすもの全てを指します。そのモビリティを試す場所がウーブン・シティです」

ウーブン・シティがある場所は、1967年から2020年まで稼働した東富士工場の跡地。2011年に東日本大震災が発生したことを受け被災地を支援しようと、東富士工場の機能を宮城県と岩手県に移転した。跡地には製品やサービスのプロトタイプを作ることができる工場を残しながら、新たにウーブン・シティを建設した。ウーブンは「織られた」という意味で、トヨタグループの創業が木製の人力織機の発明だったことに由来している。

完成している第1期エリアは広さ約4万7000平方メートル。130戸分の住居が用意されていて、約300人が暮らす予定だ。第2期エリアも含めると、面積は29万4000平方メートルに及び、約2000人が暮らせるようになる。