ウーブン・シティの「つながるインフラ」

では、どんな実証実験が行われているのだろうか。トヨタが独自で進めているのが、あらゆるものがつながるインフラだ。

ウーブン・シティ内の道路は、e-Paletteをはじめとするモビリティが走る道と、Swakeが走る道、それに歩行者用の道の3つに分かれている。交差点には、多機能ポールが建てられていて、信号のほかセンサー、カメラなどが設置されている。

歩行者用の横断歩道は基本的に青信号になっていて、e-Paletteが近づくと信号は横断歩道用が赤に、車両用が青になる。現在はセンサーが車両の接近や停止を感知する車両感応式信号の仕組みだが、e-Palette自体にも位置と速度の情報をクラウド上に開発されたサーバーに送り、信号機に近づくタイミングで青に切り替わるといった仕組みが備わっている。

また、ウーブン・シティに暮らす人や、勤務する人、それに外部から訪れる人は、あらかじめ登録した上で、顔認証で街の入り口やさまざまな建物の中を出入りする。

実際に暮らす人は、鍵を使うことなく建物や部屋に入ることができる。敷地内にあるコンビニエンスストアなどで買い物する場合も、顔認証だけで決済が可能だ。

エネルギーは、太陽光発電のインフラを整えていて、多くの建物の屋上には太陽光パネルが載っている。さらに、水素もパイプラインで引き込み、車の充電などに使う予定だ。

信号の制御や顔認証、エネルギーなどは、全て自社で内製したシステムで制御している。あらゆるデータを取得して、解析することが可能になっている。

さらに、全ての建物は地下でつながる。本格的な入居が始まれば、外部の業者から届けられた品物を、自動物流システムによって特定の住戸などに配送する実証を行うことにしている。それ以外にも、地下ではさまざまな実証実験ができると比留間さんが説明する。

「まだ完成していないプロダクトを外で実証するとなると、雨の日はできない、風の日はできないといった非機能要件を解消しなければなりません。それが地下だと、基本的に温度も変わらない。風も吹かない。雨も降らない。条件が一定です。なので、地下は実証実験をするのにすごく適した場所になります。駐車場としての用途だけでなく、実証をする上で大切な場所の一つになっています」

地下について説明する比留間陽介さん