「死」というテーマがエンタメにも? 初回も盛況、場を開くことで得た手応え

「Deathフェス」(2025年開催時の様子)

2024年の第1回開催時には、約2000人が来場し、SNSでも拡散されるなど大きな反響があった。

「蓋を開けてみるまでは、どんな方々がいらっしゃるかは分かりませんでした。ただ『Deathフェス』というものをする、という企画段階から、“何それ?”と周りからの反応も良く、面白がってくれている人もいて、実際に来場された方も10代から90代まで幅広かったです」と手応えを感じた。

「一番多いボリュームゾーンは40代、50代の私と同年代のミドル世代でした。通常の終活市場だと70代以降が中心になるので、50代でもある意味“若者”です。次に多かったのが20代でした。その層を狙って渋谷で開いたということもあり、やはり思ったよりも若い方たちが来てくれました」と話す。

「インフルエンサーの方がユニークなイベントとしてSNSで取り上げてくれたり、『死』のことをすごく考えたいというよりも、ちょっとエンタメっぽく捉えてくれた人たちもいました。若い方たちも死のことを実はすごく考えていて、『こういう話は普段友達とはできないから』と話していた方もいました」と、来場者も反応もさまざま。男女比は半々で、2025年の第2回開催時も、客層は幅広かったという。

Deathフェスについて、「“死”というテーマに出会い直す祭典」と定義付ける市川さんたち。「死は私たちの周りにあるものの、タブー視されることもあり、距離が遠くなってしまっている。そこで、もう一回ちゃんと出会い直そう、という意味のテーマを掲げています」と、その定義について説明する。

プログラムでは、トークセッションと没入型の体験、対話という3つの“入り口”を設けている。トークセッションは、日本が直面する「多死社会」(高齢化の進行により死亡者数が急増し総人口が減少していく社会状況)についてなど、知識も得られる入り口に。

体験企画は、棺に入ってみることができる体験や、横浜の寺院が開発する“地獄に落ちるVR”体験などを用意。「いつか必ず訪れるけれど、生きているうちには体験できない死というものを『こういうことなのかもしれないな』と、五感とか身体性をもって体験するという入り口です」。

「対話」としての入り口は、「死を皆でいかに自分事にして『“生”に地続きにできるか』ということ。そのためにはやはりカジュアルな対話が必要だと思うので、みんなで話をするという入り口を設けています」と言い、お酒を飲みながらカジュアルに生と死について語り合う「Deathスナック」などの場を設ける。