「戦後80年」とどう向きあったか

2025年は、戦後80年目という節目の年でもあった。取材現場には、戦争体験者から生の証言を聞ける最後の節目という思いもあったようだ。各報道機関は、様々な形で「戦後80年」を扱ったが、各社・各局の体力や姿勢には随分と違いがあり、その扱う量も質も千差万別であった。

個人的な印象だが、全国紙では「朝日」、「毎日」、「読売」の3大紙が、放送局ではNHKとTBSテレビが、群を抜いて扱いが多かったように思う。NHKは、テレビ放送だけでも、地上放送2波、BS放送2波と保有チャンネルが多く、また、受信料を財源としていることもあって、放送枠の確保が民放テレビ局より容易かも知れない。

他方、TBSテレビは、「戦後80年 つなぐつながる」というプロジェクトを掲げ、8月に特番を組むといったいわゆる「8月ジャーナリズム」に留まることなく、2025年の1月から12月まで、年間を通して「Nスタ」「news23」といったニュース番組枠の特集コーナー等で、この企画テーマでの映像レポートとして扱われていた。加えて、それらの映像レポートは、TBS系のニュースサイト「NEWS DIG」でも展開された。

他方でNHKは、ネット上での動画配信サービスが必須業務化されたことで、2025年10月より「NHK ONE」が開始されたが、そのスタートには新聞業界などから「民業圧迫とならないよう」などの注文もあり、NHKのネット展開には、制限がかけられたこともあって、ネット上での新たなコンテンツ提供はできなかったものの、「戦後80年」に係る意識調査や過去の戦争関連番組のアーカイブ配信を行い、高い評価を得ている。

2026年は、戦後81年目にあたる。80年目の節目で、力を入れて報じたメディアが、今年、「戦後」とどう向きあうのか。「8月ジャーナリズム」を含め、その姿勢が問われることになろう。