トランプ政権が狙う「質の悪い原油」

ベネズエラ産の原油は、おそらく世界一質が悪い、と野神氏は説明する。

「どれくらい悪いかといいますと、流動性が悪い、ベタベタして流れない。イメージとしては、アスファルトのベタベタした石油状の素材を思い浮かべていただければ…そのままタンカーに入れたらベタベタして出てこない」

一般的に、原油は蒸留という過程で精製される。原油を熱して蒸気にしてから冷やして液体に戻る過程で、温度ごとに成分に分けられる。ただ、ベネズエラ産の原油を単純に蒸留すると、船舶や工場など用途の限られる「重油」が多くできてしまうという。

現代で求められるのは軽油やガソリンで、高度な精製技術を持っているのが、アメリカのメキシコ湾岸の製油所だ。歴史的にベネズエラ産の原油を安く買い、コストをかけて蒸留・分解の処理をし、付加価値の高い石油製品を製造する――これがアメリカの石油産業の収益モデルだった。