1区の世界陸上代表は種目も特徴も三者三様

1区に東京世界陸上代表3人が集まった。その全員が30日に行われた記者会見に出席
、3人集結したことへの感想を求められた。

左から森選手、吉田選手、三浦選手

森「世界陸上代表以外にも強い選手が多く、展開は読みにくいのですが、世界陸上の選手同士がどう走るかより、全体を見て、チームの優勝のためにどんな走りをすべきかを考えながら走ります」

吉田祐「自分はマラソン、森選手は5000m、三浦選手は3000m障害と(代表になった)種目が異なります。2人ともラストのスプリントがある選手なので、自分が勝負するならハイペースに持ち込んで、ラストのスプリントを発揮できないようにすることが、マラソンランナーの特性を生かすレースです」

三浦「動きがあるのはラスト3km、2kmを切ってからだと予想はしていますが、その前に大きな動きがあることもイメージしておく必要はあると思います。その中で余裕を持ちながらラストに備えていきます」

3人以外にも前回区間賞の長嶋幸宝(21、旭化成)、10000mで27分21秒45と1区出場選手中1位記録を持つ吉居大和(23、トヨタ自動車)、23年ブダペスト世界陸上5000m代表だった遠藤日向(27、住友電工)、2年前の1区区間賞太田直希(26、ヤクルト)、そして18年アジア大会マラソン金メダルの井上大仁(32、三菱重工)らもエントリーされた。

前回の長嶋は残り0.9km付近から、意表を突いたロングスパートを見せて逃げ切った。吉田が速いペースに持ち込み、区間4位ではあったが区間賞の長嶋と2秒差にとどめ、ラストに強い三浦とは同タイムと健闘した。今回は森も、状態が良ければ中盤でペースアップするかもしれない。世界陸上の3000~4000mで大きくペースアップした集団に、食い下がった経験をしたばかり。一度ペースアップして相手の力を削った上で、最後にまたスパートすることも可能だろう。

初めて1区を走る井上にも注目したい。4区が最長区間だった頃に2度区間賞を取っている。駅伝では前半から思い切った走りをする選手だ。吉田と同様、前半や中盤で大きくペースアップするかもしれない。前回は長嶋が34分29秒と、M.マサシ(スズキ)が07年に出した34分16秒の区間記録に13秒まで迫った。中盤か後半でペースアップする選手が複数人現れれば、前回以上の速いペースになる可能性がある。09年ベルリン世界陸上銅メダルを取ったマサシの記録を、19年ぶりに破ることができるかもしれない。