「事実上の減反政策」への先祖返り・・・コメ政策は誰のものか?

しかし、10月――。農水省の官僚出身で“はえぬき”の鈴木憲和氏が大臣に就任した瞬間だった。

「マーケットの中で不足感があれば現場で増産をする。そして供給過剰であれば、逆に生産を抑制していく。これが需要に応じた生産だ」と述べ、「増産路線」から一転、「需要に応じた生産」を基本とする考えを強調したのだ。

増産が招く過剰供給や価格暴落のリスク、特に生産者の経営不安定化を最重要課題と位置づけ、農政は再転換へ――

舵を切り直す形となった。これには、「事実上の減反政策」に先祖返りしたとの見方もある。

鈴木大臣は「無責任にずっと増産をし続けるのは、コメのマーケットが拡大しないうちは難しい」として、まずは海外マーケットの開拓も含めて需要創出を優先し、増産を進めることが必要だとしている。

年末にかけては「おこめ券」が話題に。物価高対策として自治体に推奨するなど鈴木大臣肝いりの政策だったが、高止まりするコメ価格を下支えする狙いがあるのではないかと、批判の声が相次いだ。

果たしてコメ政策はいったい誰のものなのか――

日本人の主食であるコメを持続可能に、そして安定的に供給できるようにすることは、引き続き政府一丸となって取り組むべき課題であることは言うまでもない。