僕らで捕まる人はいない」ピラミッド型の組織構造とは 

暴力団と違い、匿名性の高い組織構造こそがトクリュウの強みだと元幹部は言います。

トクリュウ元幹部
「大元が『オーナー』と言われる人がいて、その下に『番頭』。僕はその下の『第4線』という現場を統括する人間」

「番頭」と呼ばれる人物は、いつも「お面」をかぶっていたそうです。

その下にあるのは「第1線」から「第4線」でなるピラミッド型の組織構造。男性がいた第4線が、採用活動などを行う「現場の責任者」。その下に詐欺収益の回収役。詐欺電話の「かけ子」と続き、最下層が…

トクリュウ元幹部
「『第1線』が使い捨ての闇バイトで来るような子たち。切り捨ててもこっちの正体もわかってないし、完全に『駒』」

暴力団の場合、末端の組員による犯罪でも「使用者責任」を問われ、組長の摘発に繋がります。

一方のトクリュウは、組織の幹部ですらトップの顔も分からず、末端を駒として使い捨てにする。元幹部の男性は、上層部に捜査の手が及ぶことはないと話します。

ーー第4線で捕まった人はいなかった?

トクリュウ元幹部
「いないですね。僕らで捕まる人間はいないと思いますね、警察に。それだけ下にも名前もばらしていないし。僕らで捕まらないぐらいだから、もっと上の『番頭』とか『オーナー』は捕まえられないんじゃないかな。捕まるのはやっぱり『第1線』の受け子・出し子なので、僕らに被害はないだろって高をくくっていましたね」

元幹部の言うように、少年院には報酬に釣られて“捨て駒”にされた若者が大勢いました。

詐欺に加担した少年A
「目先の報酬に目がくらんでしまって」

詐欺に加担した少年B
「あまり何も考えていなかったかもしれない。『ごめんね』ぐらいに思っていました」

2024年、トクリュウが関与したとみられる事件で、1万人以上が摘発されています。

トクリュウ元幹部
「今後10年20年30年先もずっと、こういうことはあるんやろうなと思いますね。警察もどこまで追えるかわからないですけど、大元を潰さないと絶対になくならないと思います」

摘発されたメンバーのうち約9割は末端の実行役。指示役や首謀者はわずか約1割にすぎません。