傷害、恐喝、賭博…資金源を断たれた「暴力団」
暴力団からトクリュウへ。勢力図は変わりました。

元山口組顧問弁護士 山之内幸夫さん
「(暴力団は)一時はすごい儲けた時代があるんですけどね。バブルの時は」
かつて30年もの間、日本最大の暴力団・山口組の顧問弁護士を務めた山之内幸夫さん。

トクリュウとは違って、暴力団はカメラの前で姿を晒すことに抵抗がありませんでした。山口組は対立する組織と史上最悪と言われる「山一抗争」を引き起こします。
それは、組長が暗殺される事態にまでエスカレート。
山口組組員
「おれは命ある限り相手を殺す。それだけや」
罪を犯した組員は、それが組のためならば、出所後に組織での厚遇が約束されました。そして、抗争で力を伸ばした暴力団は次に「経済力」の獲得に躍起になったといいます。
元山口組顧問弁護士 山之内幸夫さん
「民間経済の中に暴力団がしのぎ(資金獲得)の手を伸ばしていった」
昭和の末期、暴力団による犯罪は傷害、恐喝、賭博が半数以上を占め、詐欺は5%にとどまっています。

【1984年に検挙された暴力団関係者】(警察白書より)
▼傷害:28%
▼恐喝:15%
▼賭博:14%
▼暴行:12%
▼窃盗:9%
▼詐欺:5%
▼その他:17%
当時、彼らが大きな資金源としていたのが、取り立てや地上げなど、いわゆる民事介入暴力。市民への脅威が増大する中で、警察がこのまま黙っているはずはありませんでした。
警察庁 石附弘捜査二課長
「今回、上手く我々の考えていることが実現すれば、暴力団の弱体化が図られるのではないかと」

1992年、「暴力団対策法」が施行。「みかじめ料」の要求や取り立て、地上げを禁止し、資金源を断たれた暴力団は、窮地に立たされました。
そして抗議デモという、およそ似つかわぬ行動に出ます。

抗議デモに参加する人々
「暴力団とヤクザは違います。本当の暴力団は自民党だ」

















