慶應志木vs青森山田 モール攻撃に敗れるも「花園は最高の景色だった」
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続く第3グラウンド第3試合は、創部68年目で悲願の花園初出場をつかんだ慶應志木(埼玉)と青森山田(青森)の激突。実力伯仲で接戦が予想されたこの試合は、序盤から、詰めかけた大応援団を背に慶應志木がペースを握ります。
キャプテンの浅野優心選手が「花園への夢を実現するために、練習時間の大半をモールの練習に費やしてきた。自分たちで形にできることにこだわって、モールにきめてずっとやってきた」というモール攻撃で青森山田を押し込んでいくと、「青森山田との対戦が決まってから、押し込んだ後のボールの動かし方も徹底的に練習してきた」と話したモールの後の展開からチャンスを作り出していきます。
そして前半7分、モールを押し込んだ後、素早く左に展開すると、最後はCTB浅野選手自らがタックルをはね飛ばした後、タッチライン際を快走してトライ。さらに14分、敵陣10mライン付近からモールを一気に押し込んでいくと、FB大澤蒼生選手の突破から最後はWTB川田真広選手が冷静にタックルをかわして左隅にトライ。10対0とリードします。
一方、橋本高行監督が「モール攻撃を予想して対策はしてきたが、最初の2回のモールをしのいだ後は、予想以上にモールで押し込まれてディフェンスが混乱してしまった」と語った青森山田。一度傾いた流れをなかなか取り戻すことができませんでした。
完全に勢いに乗った慶應志木は20分、トライラインまで7m付近からのモールを一気に押し込んで、NO8小島昌悟選手のトライで15対0とさらにリードをひろげると、25分と30分にもトライを奪って、前半で27対0として試合の流れを決定づけました。
後半に入っても、慶應志木の勢いは止まりません。3分には、再びモールを押し込んで青森山田のトライラインにせまると、判断よく抜け出したHO李知成選手がトライ。怒涛の6連続トライで勝負を決めました。
このあと青森山田も2つのトライを返しますが、さらにモールを押し込んで2トライを加えた慶應志木。48対12の快勝で初出場での初勝利に繋げました。
一方、懸命の反撃を見せるも、最後まで慶應志木のモール攻撃を抑えることができず敗れた青森山田・葛田虎司主将は、「相手のいいモールからいい流れに持っていかれてしまった。最後まで、慶應志木の勢いを止めることができなかった。自分たちの力は発揮できずに終ってしまったけれど、花園は最高の場所、最高の景色だった。慶應志木のファンの方もたくさんいたが、(青森)山田のファンの方もいて、こんなに大勢の方に(僕らの)ラグビーを見てもらって本当に幸せな60分間でした」と涙とともに花園を後にしました。














