吉居大和と湯浅仁の中大OB2年目コンビも注目

左から吉居選手、湯浅選手

吉居も八王子で27分21秒45と、鈴木には約15秒差をつけられたが田澤には約10秒先着した。2週間前の中部実業団対抗駅伝では3区(12.2km)で区間6位。トヨタ紡織に敗れた一因となった。

「八王子は駅伝の2週間後でトラックの感覚をつかめるかわからなかったので、27分30秒を切れたらいいかな、と考えていました。思ったよりタイムが出たことは良かったのですが、(同期入社の)芽吹と同じくらいの自己記録更新で、差は詰まっていません。近くに強い選手がいると思うと喜べませんが、勝負をしていくことができるタイムではあるので、これからの勝負を考えています」。

ルーキーだった前回のニューイヤー駅伝は、1区で区間12位。区間賞の長嶋幸宝(21、旭化成)に13秒差を付けられた。学生駅伝より終盤まで先頭集団に残っている選手が多く、「簡単に勝ちきれない」と感じた。9km過ぎのアップダウンも、自動車専用道路で試走ができず「準備不足だった」という。

「自分では今回も1区が一番可能性が高いと思っていますし、準備はできています。3区の可能性もありますが、そこが来ても問題ありません。力を出し切ります」。

今季のトヨタ自動車の新戦力として、湯浅の名前がライバルチームからも挙がっている。吉居とは中大でも同学年で、4年時の箱根駅伝は4区で区間3位。前回のニューイヤー駅伝は6区で区間2位だった。

2月の延岡西日本マラソンに2時間09分43秒で優勝し、2時間7分台を狙った9月のベルリン・マラソンは2時間13分02秒に終わったが、11月の八王子ロングディスタンス10000mは27分47秒89と自己記録を20秒以上更新した。中部実業団対抗駅伝では最長区間の4区(15.5km)で区間2位。トップを走るトヨタ紡織の選手を前半は追い込んだという。

トヨタ自動車の佐藤敏信総監督は、湯浅への期待を次のように話した。「ロードに強く単独走でも強いので、後半区間向きの選手ですが、中部の4区のような走りもできます。駅伝は最初にガーンと突っ込んで、その後も耐える走りが必要なケースが多くあります」。湯浅の起用区間は後半の5~7区が有力だが、1~3区候補選手の状態によっては前半区間起用の可能性もある。