田澤が復活し、鈴木と駒大OB強力コンビに

左から田澤選手、鈴木選手

故障(左ひざ下の神経障害)で24年は1試合しか出ることができなかった田澤が、「本来の自分を取り戻す」という今季の目標をクリアした。シーズン前半は5000m3レースに出場したが、「5000mを走る感覚を失うことを避ける」のが目的で、レースの結果よりも練習を継続することを優先してきた。そしてシーズン後半に「1本合わせる」と狙った八王子ロングディスタンス10000m(11月22日)で、27分31秒90と自己記録に約9秒と迫った。同じレースで駒大の1学年後輩の鈴木が、27分05秒92の日本新をマークしたが、自分もできると感じられたという。

「一緒に練習もできていますし、今年はスピードの質が足りないのではないかと感じていたので、その部分のアプローチができれば日本記録や26分台も行けると思っています」。

前回のニューイヤー駅伝は故障の影響で出場できなかったが、入社1年目の24年大会は3区で区間6位だった。区間上位選手と大きなタイム差はなく、2区の太田智樹(28)からトップでタスキを受け、2位チームと58秒差をキープして4区に中継。トヨタ自動車の8年ぶり優勝に貢献した。

当時の田澤は腰痛を抱えていた時期。5km過ぎから痛みが出て全力を出せなかった。「それでも区間6位はダメですね。ある程度走れると自分で判断して出ましたから、6位はダメです」。

今はヒザ下の神経痛も腰痛も、不安はなくなっている。八王子で本来の自分を取り戻したが、ピークではなかった。「今年はスピードより距離を練習で踏んできました。10000mより駅伝の方が強いと思います。八王子は2年ぶりの本気で合わせた10000m。ダメージは大きかったのですが、疲労が抜けたらニューイヤー駅伝はもっと面白い走りができると思います」ロードに強い田澤の復活が期待できる。