“法の手続きがないまま”口頭命令に揺れた大北中隊長
大北さんは現場で指揮を執る立場として戸惑いを抱えていたといいます。
本来、自衛隊が武器や戦闘の準備を進めるには、政府の正式な手続きが必要です。さらに武力行使の段階では、総理が文書でだす「防衛出動命令」が必要です。ところが当時、函館駐屯地には、そうした正式な政府命令が届いていない状況でした。
函館駐屯地 元陸上自衛隊 第3中隊長 大北太一郎さん
「自衛隊法に明らかに反している、違法な口頭命令なわけです。防衛出動の命令もなく戦闘を命じ、多くの隊員を死傷させて、隊員の家族にも自分の家族にも申し訳ない。自分は犯罪者か。なんという罪状だろう。しかし、何としても戦って守り抜かなければ陸自の存在意義がない。全員倒れても任務は完遂しなければ、と」

















