9月10日、大北中隊長が宿舎で檄「突進をする」
強行着陸から5日目の1976年9月10日。
「ソ連軍ゲリラはいつ、どこから来るのか」
確かな見通しがないまま、函館駐屯地は異常な緊張状態にありました。
そんな中 大北さんは、自身の迷いを打ち消すよう、そしていつ前線に出ても隊員が力を尽くせるよう、宿舎に隊員を集めて檄を飛ばしたといいます。
函館駐屯地 元陸上自衛隊 第3中隊長 大北太一郎さん
「ソ連ゲリラが来たら第3中隊は函館空港に向かって突進をする。これまでずっと汗水流して、不眠不休の訓練を続けてきたのはこの時のためにあるんだ!と伝えました」
隊員たちの「おお!」という掛け声が駐屯地に響いたといいます。
函館駐屯地 元陸上自衛隊 第3中隊長 大北太一郎さん
「全員が掛け声で応じてくれて、私も大変嬉しくて、感激の一瞬でした。それまでひそひそ声だった中隊内の会話が大きく快活になった。心強かった。」
飯嶋さんも、その時の気持ちをこう語ります。
函館駐屯地 元陸上自衛隊 第3中隊 飯嶋隆さん
「上の人たちと一緒に行動ができることが誇らしいと思ってました。(大北)中隊長がおっしゃることを、しっかりできるようにと」
山鹿さんも当時を振り返ります。
函館駐屯地 元陸上自衛隊 第3中隊 山鹿豊さん
「自衛隊に入った以上は国を守る。やるぞ!という気合でした。当時、中隊の団結は強かったと思います」
部隊の結束が固まった、その翌日。函館の空は、さらに危うい局面へ向かっていきます。
TBS系列で12月28日放送(午前9時54分~)『報道の日2025』では、このとき、日本の政治が抱えていた混乱、ソ連が日本に突きつけた要求。そして防衛庁内でどのような話が挙がったのかなどをさらに詳しくお伝えします。

















