「超低金利」に馴染みすぎたツケ

「ドル円相場」と「消費者物価指数」(生鮮食品を除く)のグラフを重ねてみると、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降円安が進み、それとともに物価も上昇。25年11月は「前年同月比3.0%」上昇となった。

――物価2%が目標で1%も上振れているのに、まだ『基調的物価は2%に達してないから緩和を維持する』という、この理屈はどうなのか

『東短リサーチ』社長 加藤 出さん:
「非常にわかりにくい。まもなく丸々4年インフレ上振れで、しかも政府がエネルギーなどに補助金を出して抑えて3%。物価対策がズルズル続いたら、それ自体がインフレに油を注いでるようなもので、本来は物価の番人である日銀がインフレに合わせた金利の状況を追求していくという姿勢が望まれる。ただ、30年間、国債や色んなものが超低金利に馴染んでしまっているので、出口でトラブルが起きやすいと慎重になり過ぎて手遅れになってしまっている」