なぜ予想より低くなる?予測法は?

そもそも、気象庁はどのように津波の予想を行っているのでしょうか。それを知ることで、津波の予測が非常に難しいことが分かります。
気象庁の津波予測システムは、地震が起きた直後に津波の高さを計算するわけではなく、事前に気象庁で、日本の周りで「どこで」「どれくらいのサイズの地震が」「どれくらいの深さで起きたか」という要素を全て組み合わせた、約10万通りのシミュレーションを実施しています。
そして、地震が起こると「今回の地震のケースは10万通りのシミュレーションの中のどれと最も近いか」を紐づけ、「大体これくらいの津波の高さが来る」という仕組みで発表しています。
この仕組み上、正確な数値ではないため、多少のずれが生じます。予測が低く出て、実際は高くなってしまうと、人命に関わる事態に繋がります。そのため、予測を高く出して、実際は低くなる方が良いという考え方に基づいています。
この予測システムの計算の中には、満潮・干潮などの情報も入り、東日本大震災以降、特に沖合に多数設置されている津波観測計の情報といったリアルタイムな情報も加えて、最新の情報を伝えています。しかし、多くの人が情報を入手するのは、最も早い第一報。この情報を一刻も早く伝えるために、10万通りのシミュレーションを事前に用意しているということです。
津波警報で「最大3m」という言い方をしているのは、3mを超えることはなく、低くなる可能性もあるということを示しています。仮に「50cm」と伝えて、実際が1mを超えると、避難が遅れる可能性があるため、そうならないように配慮されています。














