イチロー感嘆「いやー凄い打球打つね」
イチローさんのフリーバッティングが始まると、部員たちがゲージに集まった。3スイング目、完璧に捉えた当たりに球児たちからは「おおー」と、どよめきが起こった。肉離れをおしてフルスイングするイチローさんに、自然と拍手が沸き起こった。
イチロー:拍手はいらないから。みんなの方が上手いでしょ。
イチローさんと入れ替わり打席に立ったのは、牟禮選手。その打撃を見てイチローさんは「マジか!」を連発、使っているバットにも注目した。
イチロー:それは竹?
牟禮:竹のバットです。
イチロー:竹であの打球打つんだもんな(笑)僕もちょっと打ちたくなっちゃった。いやー凄い打球打つね。
自身のバットを差し出し「折れてもいい、使ってみて」
もう一度バッティングゲージに入ったイチローさんは、打ち終わると牟禮選手に声をかけた。
イチロー:しなりを使って打つ人がいないからこの素材を勧めることがないんだけど、(自分のバントを見せて)これアッシュ、アッシュは打ったことある?
牟禮:わからないです。
イチロー:これ(しなり)が出るのよ(笑)このフィーリングが、乗っかっている感じが。この感触、プロに行ったときにどっちが合うのか知っておいた方がいいから、牟禮くんの感じだったらアッシュ凄くいいと思う。乗る感じが。
イチローさんは打撃を終えると、牟禮選手に自身のバットを差し出した。
イチロー:これ使ってみて、これアッシュだから。
牟禮:折れてもいいですか?
イチロー:折れてもいい、全然大丈夫、使ってみて。
イチローさんのバットを借りて、打撃練習を行った牟禮選手。1スイング目でしっかりとボールを捉えたが、3スイング目で・・・。
牟禮:あっ、やばい。
イチロー:ハッハッハッ、折れた。折れてない?
牟禮:いや、折れました。
イチロー:折れた、OK、大丈夫、大丈夫。
牟禮:すみません。
イチロー:そういうこともありますから(笑)大丈夫です。
その後はバットを折ることなく打撃練習が無事に終了した。
イチロー:どう?感触?違いはわかる?
牟禮:感触というか、芯に当たった時なんですけど、なんていうんですかね、ポーンと。
イチロー:張り付く感じ?
牟禮:そうです。そうです。
イチロー:あるでしょう。その感じが好きな人はこっち(アッシュ)の方がいい。

















