異例!イチローからの謝罪「すごく自分に残念な気持ち」
しかし今回、球児指導12回目にしてイチローさんに初めてのアクシデントが・・・。
イチロー:僕のミスというか、謝らなきゃいけないことがあります。みんなレベルが高いんで、僕も準備しておかないとみんなについていけないと思って。3日前の練習でアップ中、結構強度の強いランニングなんだけど。ランニングのメニューの際に太ももの肉離れをしてしまって。なので今、走ることはできない。実際にみんなに見せることはできないので、すごく自分に残念な気持ちになっています。だからできる範囲でやります。今日と明日、僕自身ができないことが、もどかしい時間になると思うんだけれども。
「目標を『プロ』はダメだよ。プロに入ることは前提」
軽くボールを投げると「なんとかなりそうだな」と球児たちとの練習に参加。イチローのキャッチボールの相手は、高校通算24本の牟禮翔選手(むれ しょう、2年)だ。
イチロー:やっぱりいい体してるね。そりゃそうだな。今すぐにでもプロに行けるらしいね。
牟禮選手:本当ですか?
イチロー:だから、目標を「プロ」とかはダメだよ。このレベルは、プロに入ることを前提にして、高校時代を過ごさないと。全然、ゴールじゃないから。
ドラフト注目の選手に早くも“イチ流”の考えを伝えた。
イチロー:これくらいの距離(30m)はここ(胸の位置)で安定して投げたいよね。体の使い方を工夫して。
牟禮からシュート回転した送球が来ると・・・。
イチロー:これはダメよ。それは自分で何となくわかる?こっち(右)とこっち(左)の違いは。それは感じてて。上下でブレるのはいいけど、こっち(左右)にブレたくない。これは(上下)は全然かまわない。
キャッチボールが終わると・・・。
イチロー:肩強そうだね。やっぱり気になるのはこっち(シュート回転する)軌道ね。外野の送球はそれだけで違うので。このレベルだったら塁間、30mくらいの距離は必ずここ(胸)、もしくはこっち(左、捕球者の右胸)。今の精度だとまだまだ。(肩が)強いのはわかる。
イチロー:(他の選手に向かって)今みたいな感じ?牟禮選手はキャッチボールでちょっとブレる?
選手たち:はい。
イチロー:そうね。それは必ず体の動きに理由がある。「こうなったときはこういう軌道」っていうのが分かれば修正できる。分からないと何となくやっているだけだから、いい時があったり悪い時があったり(する)。それではね、やっぱりレベルが上がると使えないから。能力が高いのは良くわかる。どうだった僕のは?
牟禮:伸びがエグいです。
イチロー:落ちてこない感触があるかな?そこそこ(力を)入れているけどそう見えない。「肩甲骨が動く」がポイントだね。あれが7割くらいずっとできる能力が欲しいね。
牟禮:はい!
イチロー:全然、全力じゃなくていいよ。普段も7割くらいで(送球が)スーッと行く、それができる能力はあると思うので、それを目指そうか。
牟禮:ありがとうございます。

















