大分・佐賀関で18日に発生した大規模火災。通報が入ったのは午後5時45分ごろで、漁港近くの住宅街で発生したとみられ、瞬く間に災が燃え広がりました。 当時、大分市内には強風注意報が発表されていたということです。
なぜ大規模火災に発展したのか?元東京消防庁・特別救助隊の田中章氏に解説していただきました。※情報は2025年11月19日時点のものです。
1km以上先の島まで…強風による「飛び火」で延焼拡大か

18日午後5時45分ごろ発生したとみられる大分・佐賀関の火災。住宅や空き屋など170棟以上が延焼し、焼失面積は約4万8900平方メートル(甲子園球場の約1.2倍)にのぼっているということです。
この火事で1人の遺体が発見され、現場に住む76歳男性と連絡が取れていません。また、自衛隊のヘリも消火活動にあたっているということです。
―――大規模かつ長引いている今回の火災。その要因の1つが「強風」だということですが。
(元東京消防庁・特別救助隊 田中章氏)
「火災が発生したところに強風が起こると『飛び火』という現象が起きます。火の粉が空高く舞い上がり、風に乗って遠くまで運ばれてしまう。これによって延焼が拡大して、大規模火災になったと思われます」
現場周辺の地形は入り江に挟まれた“窪んだ形”になっています。ここに北西の風が吹くことで、風がスピードアップする、あるいは、風が集まるような状態になったということです。
―――火災発生場所から1km以上離れた島でも煙が上がっていました。ここまで火の粉が移ったと見ていいでしょうか?
(田中章氏)
「そうですね。通常の火災の場合、『飛び火』は約200~400m飛びます。今回は強風で飛び火が1~2km風に乗って運ばれ、火災が発生したと考えられます」
―――白い煙が上がっている状態でも、強風などの影響で再び炎が上がる可能性はあるのでしょうか?
(田中章氏)
「炎が見えていない状態を『鎮圧』と言いますが、火災はこれ以上拡大しないと思われます。ただし、見えないところに火の粉(残火)が残っている可能性があります。これを消防隊員が一つ一つ水をかけて処理をして『鎮火』となれば、消防隊が引き揚げる目処になります」














