今年のしまむらは選手層が、昨年より明らかに厚くなっている。安藤が間に合わないことも選手全員が自覚し、安藤抜きでも8位以内に入れるチームを目指してきた。世界陸上の結果は良くなかったが、「安藤のマラソンへの取り組みや、最後まであきらめない走りは、チームに浸透しました」と太田監督。
前回6区区間3位で1人を抜き、3位でフィニッシュした髙橋優菜(26)も、太田監督が日本トップレベルに成長してほしいと期待する選手。9月末にケガをした影響で絶好調ではないが、主要区間以外で区間上位が期待できる。今年4月に移籍加入した田中那奈(21)は中距離選手だが、太田監督に「ビックリした」と言わせる走りを夏以降の駅伝に向けた練習で見せている。入社5年目の髙橋は「過去最高のチーム。1人1人の意識が変わりました」と感慨深そうに話す。
主要区間以外でも昨年のように、区間上位で走る選手が続出する可能性は十分ある。それができたときしまむら、駅伝ファンを驚かすタスキリレーを再び見せるのではないか。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)

















