国内市場が冷え込む中、多くの酒蔵が活路としてきたのが海外への輸出。
特に販路拡大が見込まれていたのがアメリカ市場でした。
しかし、そこにも暗い影が落ちています。

立ちはだかるのは「15%」のトランプ関税の壁です。
さらに、世界的な物価高が消費者の財布の紐を固くしています。

その厳しさを現地で肌で感じてきたのが、先日アメリカでの交渉から戻ったばかりの築谷部長です。

稲田本店 酒造部 築谷真司 部長
「訪問先のレストランや問屋、皆さんおっしゃられるのがお客様がてきめんに最近少なくなっていると注文するメニューの数も少なくなっているというのは皆さんおっしゃっていました」

日本での小売価格が1800円の4合瓶が、ここヒューストンでは日本円で約7000円、しかしこれはトランプ関税発動前の価格で、今後入る商品は約9000円となる見込みです。

稲田本店 酒造部 築谷真司 部長
「(海外での)和食ブームに伴って日本酒もブームにはなっていたんですが昨今の物価の高騰でどんどん現地での価格が高くなっていまして嗜好品である日本酒っていうのは現地の皆様にとってまっ先に買い控えの対象になる、そういう位置づけになりつつあるんじゃないかなと」

国内ではコスト高騰と消費の停滞。
海外では関税とインフレによる買い控え。
まさに八方ふさがりの状況です。

この苦境をどう乗り越えるのか。
成瀬社長は、今こそ社員が一致団結することが必要だと語ります。