「私にとって歴史そのもの」 日本語がわからない中国人が購入した理由は…

 中国内陸部・湖南省。歯科医の欧陽霈さんは4~5年前から旧日本軍の兵士が書いた軍事郵便を購入しています。SNSに公開するため、オークションサイトなどをまめにチェックしています。

 (旧日本軍の軍事郵便を収集 欧陽霈さん)「これらは満州に駐屯していた兵士が日本の家族にあてて書いたものです。(SNSの)コメントには多少民族感情がこもったものがあります」

 コレクションの軍事郵便の文面からは、兵士が日本にいる家族の健康を気遣っていることがわかります。しかし欧陽さんは日本語を理解することはできません。それでも購入するのは、祖父が「母親を日本兵に殺された」と話していたことが影響しているといいます。
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 (欧陽霈さん)「祖父は私に『日本人との間には血で刻まれた深い恨みがある』『この記憶は必ず留めないといけない』と語っていました。だからこれらのコレクションは私にとって歴史そのものなんです」

 こうした背景もあって中学生だった2012年には「反日デモ」に参加したという欧陽さん。いま、日本人に対する思いを聞いてみると…

 (欧陽霈さん)「日本人は友達として付き合えるし、一緒にビジネスもできるという考えです。でも心の中には常に傷跡があり、過去に起きた出来事(戦争)は忘れないようにしています」