イチ流指導開始!“憧れ”の存在からの教えに熱視線

連合チームで主将を務める池亀選手にアドバイスを送る

練習試合終了後、両チームの選手たちがイチローさんのもとに集まった。連合チームで主将を務める池亀輝選手(2年)は、イチローさんが憧れの存在だという。

イチロー:初めて見て、どんな印象ですか。

池亀:筋肉質だなって。大胸筋とか足の筋肉とか全部憧れだったので。

イチロー:何がきっかけで?

池亀:中一の頃に野球に出会って。Googleで調べたらイチローさんが出てきて(笑)。ライトを中学の時にやって、それからイチローさんの動きを見たり、動画で夜毎日見て勉強しています。

イチロー:参考になった?

池亀:参考になったのは、自分こうやって(正面を向いて)捕る癖があって、ここ(半身の状態)で捕ったらすごいこっち(右)とかこっち(左)に対応できるみたいな。

池亀選手はイチローさんから学んだ捕球体勢について身振り手振りで熱心に伝えた。

イチロー:その視点は素晴らしいね。それは外野手は特に大事にしてほしいところで、送球するときに(右投げが)左前で取ってしまうともう遅いのよ。もう間に合わない。それがここ(左前)で捕ってしまうとタッチアップの部分もここ(ボールの握り替えまで)の距離ができる。さらに体が横にぶれてしまって。常に平凡なフライでも僕はこっち(右の前)。左じゃなくて、必ずこう捕る、顔の前で。動きには必ず理由がある。説明できる状態にみんなもなってほしい。

池亀:はい!ありがとうございます。

イチローさんの指導が始まった。まず一塁から三塁方向へ走って見せ、三塁から一塁へ走って戻る。

イチロー:しっかり歩いたり走ったりできなかったら野球はできない。走りながら作っていく。今パッと見て、どんな印象だった?

部員:幅が大きいと思います。

イチロー:歩幅が大きい。その理由は何だと思う?

部員:股関節をうまく使っている。

イチロー:まさしくそう。走る時、足は後からついてきてる。意識している所は、体の外側のラインから軸をぶらさない。上半身は肩甲骨で腕を振る。ポイントは膝は上げない。腕は後ろに。それをミックスしたのが僕の今の走り。

「やってみようか」と言って中越の選手たちが走る。その後にイチローさんが続く。その姿を食い入るように見つめる選手たち。

部員:(イチローさんは)ストライドが大きくて力がうまく伝わっている。

イチロー:僕はこれを2往復、最後1周してキャッチボールに入っていく。単純に見えて大事なので。

部員:これから自分も取り入れていきたい。

イチロー:ぜひ、モノにしてください。