2025年12月、宮城県色麻町にある加美農業高校の視聴覚室に、穏やかながらも力強い声が響きました。

八島定敏さん:
「私の長女は事件で亡くなりました。はっきり言うと、殺されました」

高校生にこう語りかけたのは、柴田町に住む八島定敏さん(74)。20年前に、長女を殺人事件で亡くした父親です。

2005年10月、八島さんの長女・和佳子さん(当時28)はコンビニエンスストアで勤務中に、元同僚の男性に刺され命を奪われました。「命って何だろう」和佳子さんの死を経験して初めて、八島さんはこの問いと向き合うことになりました。