■「中毒者は全員泥棒している」家も収入もない人々の手に薬物が

生活排水が垂れ流しになっているカブ―ル市内の川。周辺には、多くの人が住み着いていた。

須賀川記者
「真ん中でたむろしている人たちがいますが、穴が掘られていて穴の中に人が住んでいるわけなんです」
「今火をつけた?あぁ本当だ、火をつけてこれから炙って吸おうとしているのか。ちょっと何を吸おうとしてるのか分かりませんが…」

地元の人によると、橋の下に住み着いた人は2000人を超える。そのほとんどが、薬物依存症に陥っているとみられている。

須賀川記者
「この水で洗うの?マジかよ。この人、耳にもパイプ吸うのがかかっている」

注射器を洗う男性
「これをパイプにして使うんだ」

血液検査で使用した試験管のようなチュ―ブは、洗って麻薬を吸うために使うのだという。ここの人々は、カメラを向けてもまったく気にすることなく麻薬を吸い続けていた。

麻薬中毒の男性
「以前は花を栽培して売っていましたが、仕事がなくなり仕方なく麻薬に手を出すようになりました」

――仕事がないから始めたの?

麻薬中毒の男性
「悲しいからやり始めました。これをやると気分が良くなるんだ」

住む家もなく、収入もほとんど無い中、彼らはどのようにして薬物を手に入れているのか。

ある男性は、指輪を手にしていた。

――誰の指輪?

指輪を手にした男性
「兄弟の奥さん。売るために持ってきた。麻薬を買うためだよ。2日分ぐらい(買える)」

一般的に薬物は流通の末端に行くほど高価になるが、ここでは数回分が日本円にして100円前後と、安価で劣悪なものが出回っていた。橋の近くで露店を開いている人は…

売店を営む男性
「はっきり言うと、ここに住んでいる中毒者は全員泥棒して生活してるんだ。だから私はここを少しも離れられない。離れたら店ごと盗まれちゃうよ。この地域の住民たちもすごく困っているよ」