須賀川記者
「ほとんど見えないけど、斜面に人影が…この辺りが麻薬中毒者たちがたむろしているところらしいんです」

下まで降りると、異様な光景が目に飛び込んできた。

須賀川記者
「見て、布の下にいるんだ。これがいわゆる住まいみたいになっているんですね」

山肌を掘り、ビニ―ルシ―トなどを被せただけの穴に多くの人が住んでいた。 兵士に囲まれ大声で激しく抵抗する老人がいた。

老人
「何やってんだ!私は目が見えないのに、神への畏れはないのか!神よ…なぜ畏れないのか」

兵士
「立て立て!泣くんじゃない、立て!」

なかなか動かない老人に、兵士が暴力を振るっていた。この丘の捜索だけで、100人以上が拘束された。

麻薬取締局幹部 ジア―・ウッディン氏
「1日で様々な麻薬を押収しています。マリファナやゼガップという覚せい剤などもあります。ゼガップは医師の指示がないと使用できない危険なドラッグです」

彼らはどこに連れていかれるのか。私たちは移送先にも同行した。

カブ―ル郊外の、アビセンナ薬物治療病院。アフガニスタンで唯一の薬物依存症の回復施設だ。

病室のベッドは、患者たちで埋まっていた。この病院の収容人数は約1000人だが、常に満床の状態が続いているという。

須賀川記者(深夜1時)
「患者が歩いているんですよね、この時間にも…」

何をするでもなく、ただふらふらと病院内を歩き回る患者も。

タリバンは、薬物の摘発は効果が出ていると強調するが、取材を進めると疑念を抱かざる負えない事実が次々と明るみになってきた。