《沈黙を抱えた町…『核ごみ』最終処分場選定をめぐって》

日本海沿いに位置する北海道・寿都町。人口2600人ほどと、顔見知りも多い町です。選挙戦では、こんな場面もありました。選挙戦の初日、片岡氏の事務所で執り行われた神事。ほどなくして同じ宮司が、大串氏の事務所に姿を見せて、やはり神事を…。人と人の結びつきが濃い町では、選挙も日常の延長にあります。
大串伸吾氏の後援会 吉野寿彦会長
「マイクを通して町民に話すと、あの人は(どちらの支持)なんだって思うでしょ?選挙で敵を作るわけにはいかないから」

『核のごみ』をめぐる問題が静かな対立を生んでいます。ただ人間関係の近さが故、賛否の議論は、表立って交わされる機会が次第に減ったとの声も…。
寿都カメラ 西村なぎささん
「2020年ごろのほうが、文献調査が話題になったばっかりだったので、結構話すことはあったけれど、5年経つと、話さないほうがいいっていうほう多くなったと思う」
学校の行事や家族写真の撮影などを通して、地元の人との交流も多い写真館。“あえて言葉にしない…”そんな気配を感じています。
寿都カメラ 西村なぎささん
「家族同士もそうだし、町民全体が思っていることが違うと思うので、この先もここに住んでいるなら、この先の関係のことも考えて、何も言わないのが一番という感じになると思う」

町に暮らす人たちに話を尋ねようとしても、なかなか言葉を返してくれる人はありません。
町民
「田舎だから、みんなこうやって話さない、わかるでしょ…言ってること」
文献調査の報告書を受け、NUMO(ニューモ)が開いた住民説明会。参加者はわずかでした。『核のごみ』をめぐる問題の争点化を避け、これまでの実績をアピールした片岡春雄町長。7期目の舵取りを任されました。

7選を果たした寿都町 片岡春雄町長(10月29日取材)
「まだまだ、この理解というのがどれくらい進んでいるのか、確かめながら、もう1回説明会をして、住民投票を臨んだほうが、民主的な判断ができるのは」














