いわゆる『核のごみ』をめぐり、揺れ続ける北海道南西部に位置する、日本海に面した寿都町。10月28日の町長選では現職が7選を果たしました。その選挙から見えてきたのは、町が抱える静かな対立でした。

《7選を果たした現職の圧勝…核ごみをめぐる問題は?》

 寿都町長選の結果は、1087票を獲得した現職の片岡春雄氏に対し、新人の大串伸吾氏は400票を超える圧倒的大差をつけられ、敗北しました。結果を受けた大串氏は、支援者の前でこう敗戦の弁を述べました。

大串伸吾さん(10月28日取材)
「核のごみの問題、このことに不満を持っている方々の受け皿としても、それが至らなかったことだと思っています」

原発から出る高レベル放射性廃棄物、『核のごみ』の最終処分場をめぐる問題。大串氏は、反対の立場を貫いてきました。選挙戦初日の10月23日、カメラの前で大串氏は、不安そうな表情を浮かべ、こんな言葉を…。

大串伸吾氏(10月23日)
「不安と…やっぱり不安ですよね。緊張ですよね。私がしっかりと…滑舌が悪いので、しゃべれるかなって…」

大串氏は町議会議員を辞して、今回の町長選に臨みました。懸命に町内の有権者のもとを駆け巡ります。

大串伸吾氏
「この先4年間を目指して頑張っていきたいと思います」

ただ『核のごみ』問題をどう扱うか。その思いは揺れていました。