跳躍界に突如現れたダークホースを支えるのは、指導者と “憧れの先輩” の存在でした。那覇国際高校に入学したとき、松川の胸中にはある思いがー


「(陸上部には)入らないつもりで、全然違う英語ディベート部とか行こうとしてたんですよ。でも、ちょっとでも彩吹先輩と練習できたらなと思って、入って」

走り幅跳びの県記録、三段跳びでは県高校記録を持ち、現在慶応大学陸上部に所属する喜久里彩吹(きくざと・いぶき)は那覇国際高校時代、30年近く破られていなかった三段跳びの県高校記録を更新し、ジュニアオリンピックカップU18大会では5位入賞。沖縄の跳躍界を引っ張ってきた存在です。

憧れの2つ先輩、喜久里彩吹(右・慶応大1年)

「高校に入って喜久里彩吹先輩を見た時に、やっぱりかっこいい、跳ぶのかっこいいなと思って、自分もこんな風になりたいって思って始めました」

幼い頃から体操を習い、跳ぶことが大好きだったという松川。とはいえ、陸上の跳躍種目を始めて、まだ、わずか1年あまり。三段跳びにいたっては試合デビューから半年ほどで、日本一まで昇りつめました。

才能を開花させたのは、喜久里を育て、陸上の実業団チームの監督も務める後間 英生さんです。