ウクライナの味は“父が作った思い出の味”

【参加者】「きっと大変な中、日本に来てくださったので、いろいろな背景をお持ちだと思うんですけど、でも今は本当に日本の生活になじもうとして、一生懸命仕事も頑張っているし、すごく前向きだなと思って、学ばせていただくことがいっぱいあります」

しばらくして、ホカホカでジューシーな香りが調理室を包みます。

【ムタルさん】「お~ いい匂い!きっとおいしいです」

シンプルで家庭的な味わいの『デルニ』は「おやつにぴったり」と、参加者からは大好評でした。

【参加者】「すごくモチモチしているね」「うまいね」

実はこの『デルニ』。ウクライナに残るイリナさんの父親も、幼いころにお母さんから作ってもらっていたそうで、イリナさんにとっては、まさに“我が家の味”。

【イリナさん】「父も『デルニ』を私たちに作ってくれました。父がこの場にいたら、あなたたちを誇りに思うでしょう。すごい!」

2人をそばで見守り続けている「避難民支援の会」の鈴木進五(すずき・しんご)さんは、時が経つにつれて増していく、小千谷市に対する夫婦の気持ちの強さを感じていました。

【おぢや避難民支援の会 鈴木進五副会長】「地元の人たち、子どもであれ大人であれ、1人1人に対する対応がとっても丁寧ですね。本当にどの人たちともいい友達になりたいっていう気持ちがあふれてきているので。

たぶん…彼らなりの決心なんだと思います。いつ国に帰れるかわからないし、自分たちはここを自分たちのふるさとにしたいっていう気持ちがあるんだと思いますね」