11月から12月 地球からも観測のチャンス
「3I/ATLAS」は、2025年10月下旬に太陽への最接近(近日点通過)を迎え、火星軌道のすぐ内側を通過する予定です。
地球から2億4,000万km以内に近づくことはなく、地球や他の太陽系の惑星に危険をもたらすことはありません。地球への最接近時にも、太陽を挟んで反対側に位置することになります。その後は私たちから遠ざかっていきますが、宇宙望遠鏡などによる遠隔観測が続けられます。
 
軌道と時期
ESA・欧州宇宙機関が作成した上の図では、「3I/ATLAS」の軌道と観測ポイント・時期を確認できます。
①2025年7月1日 太陽から6億7500万キロの距離でチリのATLAS(小惑星地球衝突最終警報システム)の望遠鏡が初めて発見
②2025年10月3日 火星に最接近 火星から3,000万キロの距離でESAの火星探査機による観測
③2025年10月30日 太陽に最接近(近日点通過)太陽から2億1,000万キロの距離を通過。
④2025年11月2日 ESAの木星氷衛星探査機(JUICE)が3I/ATLASの活動最盛期に観測。
⑤2025年11月25日 ESAの木星氷衛星探査機(JUICE)が木星に向かうために太陽から遠ざかる。太陽の熱の影響を受けず、より安全に長期間の観測ができる。
11月以降は木星に向かう探査機が観測を続ける
ESA・欧州宇宙機関が主導する木星氷衛星探査機(JUICE)は、非常に活発な状態にある3I/ATLASを最もよく観測できる可能性が高く、カメラ、分光計、粒子センサーなど、複数の機器を用いて11月に観測を開始する予定です。
 
地球から観測できる時期と方角
3I/ATLASは、11月から12月にかけては、地球から見ておとめ座からしし座付近を通過し、観測できるチャンスがありますが、12等級ほどの明るさで、肉眼での観測は難しいとみられます。
観測には大型の望遠鏡が必要になりそうです。
「3I/ATLAS」は、太陽系を通過し、果てしない宇宙空間へと旅を続け、二度と観測されることはないでしょう。
今回の観測を通じて、私たちの太陽系外の天体形成や、宇宙についての理解がさらに深まることが期待されています。
 
   
  













