定数削減の可能性は?合意書に注目

井上キャスター:
20日、日本維新の会 藤田共同代表も「(合意書には)比例という文言は入れませんでしたが、衆議院議員の1割を目標に削減するという文言になっていたと承知している」と話しています。
比例だけではなく、小選挙区もとなるとより難しい議論になりそうです。
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
選挙制度は民主主義社会の根幹で、いろいろな仕組みのベースになっているので、そこを変えるのは大きな作業かつ、大テーマなんです。
小選挙区を減らすと有権者の数が少ない地方の議席が減ってしまいます。つまり地方の声が国会に届かないリスクも発生するのです。
一方で、比例は小さい政党でも1議席を獲得しやすい制度ですから、比例がなくなってしまうと多様な意見が国会の中に届かなくなってしまいます。
どちらを減らすにしてもデメリットがあります。確かに削減すれば国会議員の歳費は減るので、使われる税金も減るかもしれませんが、そのために(少数政党などの)議員を減らしていいのかという問題が起きるでしょう。
もう一つ大事なことは、選挙制度を変えることは全政党、全国民に関わることです。
議席を多く持っている政党だけが集まって「選挙制度のここを変えよう」と、自分たちの有利な選挙制度に変えることを認めていいのか。
これまで国会では選挙制度を変えるときには各党で話し合って決めていたので時間がかかっていました。
それが多数の議席を取った政党が自分たちに有利な制度にしたら社会がおかしくなってしまいますよね。
だから与野党や色々なところから「こんな形で進めていいのか」という疑問の声が出ているのです。
出水麻衣キャスター:
定数削減の可能性はありますか?
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
数の力で押し切るのは現実的に難しいでしょう。押しきったら色々な批判が起きかねないと思います。
今後、議論をしていくことになると思いますが、吉村代表はとにかく「定数削減」が最大の条件だと言いますので、合意書にどのように明記されるのか、そう簡単ではないというのが現状だと思います。
肉乃小路ニクヨさん:
プライオリティが違うと思います。本当に今やるべき話なのか。皆さん物価高対策を求めているのに、なんで急にこの話が出てきたのか。センターピンだからというのは解せないですね。
井上キャスター:
「物価高対策を行うから、その前に議員定数の削減をする」これについては国民民主党も賛成の意向を示していますが、それがスムーズに通るのか。その議論ばかりやっていていいのかということにもなってくるかもしれません。
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<プロフィール>
岩田夏弥
TBS報道局 政治部長 元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当
肉乃小路ニクヨ
ニューレディー
銀行・保険会社など金融業界でキャリアを積む
独自の視点で経済・お金・人生観を語る